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進化学:1000種の植物のトランスクリプトームと緑色植物の系統ゲノミクス

Nature 574, 7780 doi: 10.1038/s41586-019-1693-2

緑色植物門は、極めて多様な約45万~50万種の植物からなり(陸上植物と緑藻類を含む)、陸上生態系および水界生態系で重要な役割を担っている。今回我々は、「1000植物トランスクリプトームイニシアチブ(One Thousand Plant Transcriptomes Initiative)」の一環として、緑色植物門、灰色植物門、紅色植物門(紅藻類)を含むアーケプラスチダ(古色素体類)という広義の植物の多様な1124種について、栄養組織のトランスクリプトームの塩基配列解読を行った。解析の結果、緑色植物の進化を調べるための、系統ゲノミクスの強力な枠組みが得られた。推測される種間関係の大半は、複数の種系統樹解析およびスーパーマトリックス解析にわたって十分に裏付けられたが、色素体遺伝子や核遺伝子の系統樹においていくつかの重要な節(ノード)で見られる不一致は、倍数性、急速な種分化期、絶滅などといった植物ゲノム進化の複雑さを浮き彫りにしている。得られた緑色植物の進化史には、祖先的多様性の不完全な選別、倍数化、遺伝子ファミリーの著しい拡大といった事象がちりばめられていた。特に、遺伝子ファミリーの大幅な拡大は緑色植物、陸上植物、維管束植物の起源に先行して起きたのに対し、全ゲノム重複は顕花植物およびシダ類の進化を通して繰り返し起きていたと推測されることが明らかになった。高品質の植物ゲノム塩基配列が次々と得られ利用可能になっていることと機能ゲノミクスの進歩によって、緑色植物の進化系統樹全体にわたるゲノム進化の研究が可能になりつつある。

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