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微生物学:サイクリックGMP–AMPシグナル伝達は細菌をウイルス感染から防御する

Nature 574, 7780 doi: 10.1038/s41586-019-1605-5

サイクリックGMP–AMPシンターゼ(cGAS)–STING経路は、動物における細胞自律的な自然免疫系の中心的構成要素である。cGASタンパク質は、細胞質ゾル中のウイルスDNAセンサーで、DNAを感知するとサイクリックGMP–AMP(cGAMP)シグナル分子を産生し、これがSTINGタンパク質に結合して免疫応答を活性化する。cGAMPの産生は細菌でも検出されており、コレラ菌(Vibrio cholerae)では、細菌内膜を分解するホスホリパーゼを活性化することが知られている。しかし、細菌におけるcGAMPシグナル伝達の生物学的な役割はまだ明らかにされていない。今回我々は、cGAMPシグナル伝達は、細菌に共通した抗ファージ防御システムの一部であることを示す。このシステムは4つの遺伝子からなるオペロンによって構成され、細菌のcGASと、関連するホスホリパーゼ、また、真核生物様ドメインであるE1とE2、そしてJABを持つ2つの酵素がコードされている。我々はこのオペロンが、さまざまなファージに対する抵抗性をもたらすことを示す。ファージの感染はcGAMPの産生を引き起こし、これが次にホスホリパーゼを活性化させ、結果として細胞膜の完全性が損なわれて、ファージの複製が完了する前に細胞死が誘導される。このシステムの分岐したものが原核生物ゲノムの10%以上に見られ、ホスホリパーゼ以外のエフェクターを持つバリアントシステムもファージ感染を防御することが分かった。我々の結果は、真核生物のcGAS–STING抗ウイルス経路は、ファージに対する原核生物の防御に端を発する、古い進化的な起源を持つことを示唆している。

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