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神経科学:記憶の編集はSFから臨床実務へ

Nature 572, 7767 doi: 10.1038/s41586-019-1433-7

不都合な記憶の書き換えというSF的な概念が、固有記憶の編集を可能とする技術の出現によって現実のものになろうとしている。本論文では、精神病理学的治療の改善に重点を置いて、記憶編集研究を概説する。さまざまな研究によって、記憶が影響を受けやすい局面として、初期の保存(すなわち「固定」)と検索後の再保存(すなわち「再固定」)の2つが浮き彫りになっている。それぞれの段階で記憶を修正できる技術が見いだされているが、そうした方法を動物モデルからヒトへと橋渡しするのは困難で、臨床治療に組み込んで得られる恩恵は一貫していない。記憶編集の科学はSF以上に複雑で微妙なものであるが、その急速な発達は将来的応用への期待を抱かせる。

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