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免疫学:マウスおよびマカクザルでは免疫感作がHIV-1 V3グリカン特異的なB細胞を増殖させる

Nature 570, 7762 doi: 10.1038/s41586-019-1250-z

広範囲中和モノクローナル抗体は、動物モデルでHIV-1感染を防御するので、このような抗体を誘導するワクチンはヒトを感染から守れるだろうと考えられる。しかし、ワクチン接種によって十分な血清学的応答を誘導することはいまだに実行できていない。我々は、ポリクローナルレパートリー中で広範囲中和抗体の前駆体を発現するB細胞を活性化するために、HIV-1のエンベロープタンパク質上の可変ループ3(V3)-グリカンパッチの認識を促進する免疫原RC1を開発した。RC1はウイルス様粒子上でのグリカンの付加や多量体化によって、保存されていない免疫優性領域を覆い隠す。マウス、ウサギおよびアカゲザルをRC1を用いて免疫感作すると、V3-グリカンパッチを標的とした血清学的応答が誘導された。抗体クローニングおよび抗体–エンベロープタンパク質複合体のクライオ(極低温)電子顕微鏡構造によって、RC1を用いる免疫が、ヒト広範囲中和抗体前駆体に類似した抗V3-グリカンパッチ抗体を持つB細胞のクローンを増殖させることが確認された。従ってRC1は、ポリクローナルレパートリーという状況下での連続的ワクチン接種戦略に適したプライミング免疫原と考えられる。

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