Article

微生物学:世界各地のヒト腸内マイクロバイオームの未培養ゲノムから得られた新しい手掛かり

Nature 568, 7753 doi: 10.1038/s41586-019-1058-x

ヒトの腸内マイクロバイオームを構成する多くの種のゲノム塩基配列が明らかになっておらず、その主な理由は、微生物の多くは実験室条件下での培養が困難であるためだ。今回我々は、この問題に取り組むために、世界各地の表現型が多様なヒトの3810の糞便メタゲノムから、6万664の原核生物ドラフトゲノムを再構築した。これらのゲノムから、新たに特定された2058の種レベルのOTU(operational taxonomic unit)の参照点が得られ、これによって塩基配列解読された腸内細菌の既知の系統発生学的多様性が50%上昇した。新たに特定されたOTUは、平均して、ヒト1個体当たりの微生物の豊富さの33%および種の相対優占度の28%からなり、農村部の集団においてより高かった。腸マイクロバイオームに関する臨床研究のメタ解析から、新たに特定されたOTUと多数の疾患との関連が明らかになり、これによって予測モデルが改善される可能性がある。我々の解析から、腸の未培養種は、特定の生合成経路を喪失させるゲノム縮小を起こしてきたことが明らかになり、この結果は今後の培養戦略を改善するための手掛かりになるだろう。

Full text| PDF

目次へ戻る

プライバシーマーク制度