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微生物学:ヒト腸内微生物相の新たなゲノム設計図

Nature 568, 7753 doi: 10.1038/s41586-019-0965-1

ヒト腸内微生物相の構成は健康や疾患と関連付けられているが、個々の微生物種について理解することがそれらの生物学的役割を明らかにするために必要である。培養と塩基配列解読の大規模な取り組みが行われてきたが、ヒト腸内微生物相の完全な細菌レパートリーはまだ明らかにされていない。今回我々は、1万1850のヒト腸マイクロバイオームから、9万2143のメタゲノムアセンブリーによる再構築ゲノム(MAG)を得て、1952種の未培養の候補細菌を特定した。これらの未培養ゲノムは、総体的なヒト腸内微生物相の既知種のレパートリーを大幅に拡大し、系統発生学的多様性を281%増大させた。今回新たに特定した種は、単離された種の参照ゲノムと比較すると、よく研究されたヒト集団ではあまり見られないが、あまり研究の行われていないアフリカや南米の集団に由来する試料では分類を200%以上改善した。これらの候補細菌種は、新たに特定された数百の生合成遺伝子クラスターをコードしており、それらの解明が難しい性質の説明につながり得る独自の機能的能力を有している。我々の研究は未培養腸内細菌の既知の多様性を広げ、これは、腸内微生物相を分類学的かつ機能的に解析するための今までにない方法をもたらす。

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