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構造生物学:構造薬理学によって明らかになったGABAA受容体のシグナル伝達機構

Nature 565, 7740 doi: 10.1038/s41586-018-0832-5

A型γ-アミノ酪酸(GABAA)受容体はリガンド依存性塩素イオンチャネルで、非常に多様な薬理学的性質を持つ。GABAA受容体調節薬にはベンゾジアゼピンや全身麻酔薬などが含まれ、これらは臨床で使われていて非常に評価の高い薬剤の一部であるとともに、乱用されることも多い。GABAA受容体の薬理学的調節機構の基盤は、信頼できる構造データがないためにほとんど分かっていない。今回我々は、脂質ナノディスクにある完全長ヒトα1β3γ2L GABAA受容体が、チャネル遮断薬ピクロトキシン、競合的アンタゴニストのビククリン、アゴニストであるGABA(γ-アミノ酪酸)、古典的ベンゾジアゼピンであるアルプラゾラムとジアゼパムに結合した複数の状態の高分解能クライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告する。さらに、これらのリガンドの結合様式と機械的影響、GABAA受容体のゲート開閉サイクルの閉じた状態と脱感作状態、細胞外のアゴニスト結合領域と膜を貫通する小孔形成領域とのアロステリックな共役の基盤について述べる。今回の研究は、これまでの生理学的、また薬理学的研究を統合する構造的枠組みと、GABAA受容体調節薬開発のための論理的基盤を示している。

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