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神経科学:脊髄損傷患者での標的化ニューロテクノロジーによる歩行の回復

Nature 563, 7729 doi: 10.1038/s41586-018-0649-2

脊髄損傷は、重篤な運動障害あるいは脚の完全麻痺にさえつながる。今回我々は、脊髄刺激による標的化ニューロテクノロジーについて報告する。この技術により、4年以上前に脊髄を損傷し、長期に及ぶ広範なリハビリテーションにもかかわらず永続的な運動障害や完全麻痺を示す複数の患者において、歩行の随意制御が可能になった。我々は、リアルタイムのトリガー機能を持つ埋め込み型のパルス発生器を用いて、意図する動作にタイミングを合わせ、腰仙髄へ空間選択的な一連の刺激を送った。この時空間的刺激によって、1週間以内に、床上歩行において麻痺していた筋肉の適応制御が再確立された。運動能力は、リハビリテーションによって改善した。数か月後、被験者は麻痺していた筋肉の随意制御能を刺激なしでも取り戻し、時空間的刺激を受けている間は屋外での歩行や三輪自転車走行が可能になった。以上の結果は、神経学的な回復を改善し、脊髄損傷後の日常生活での動作を支えるための技術的枠組みを確立するものである。

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