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がんゲノミクス:小児の白血病および固形腫瘍1699試料についての全がんゲノム解析およびトランスクリプトーム解析

Nature 555, 7696 doi: 10.1038/nature25795

全がん解析として知られる、多数のタイプのがんを横断した分子異常の解析からは、さまざまな系譜に由来するがん細胞で、調節異常が見られる重要な生物学的過程における共通点や相違点が明らかになる。全がん解析は成人を対象に行われてきているが、小児がんについては行われていない。成人がんは通常、上皮組織に生じるのに対して、小児がんは発生中の中胚葉組織に生じることが多い。今回我々は、6つの組織型を横断する、小児の白血病および固形腫瘍1699試料において、一塩基バリアント、小さな挿入あるいは欠失、構造多様性、コピー数変化、遺伝子融合、遺伝子内縦列重複を含む、体細胞変化について調べた全がん研究の結果を、一定の解析フレームワークの下で処理した、全ゲノム、全エキソームおよびトランスクリプトームの塩基配列データと共に示す。小児がんにおいて142のドライバー遺伝子が明らかになったが、成人の全がん研究で見いだされたものと一致したのは、そのうちの45%だけだった。また、コピー数変化や構造バリアントが、その遺伝的変化の過半数(62%)を占めていた。11のゲノム規模の変異シグネチャーが明らかになり、そのうちの1つは、異数性白血病の8つの試料における紫外線曝露によるものだった。変異対立遺伝子の転写はタンパク質をコードする領域の変異の34%で検出可能であり、また20%が対立遺伝子特異的発現を示した。これらのデータは、小児がんの包括的なゲノム構造を示し、また、小児がん特異的な精密な治療法を開発する必要性を浮き彫りにしている。

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