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植物科学:ミカン属の起源と進化のゲノミクス

Nature 554, 7692 doi: 10.1038/nature25447

ミカン属(Citrus)には、世界的に最も広く栽培されている果実作物の複数が含まれるが、その総数は不確かである。今回我々は、ミカン類の多様な生殖質を代表する60系統のゲノム解析、系統発生学的解析、および生物地理学的解析の結果を用いて、ミカン類の自然種10種を明らかにする。ミカン類は、モンスーンの著しい弱化と関連する東南アジアでの急速な放散によって後期中新世に多様化したと考えられる。第二の放散は、ウォレス線をまたぐ移動で可能になり、これによって前期鮮新世にオーストラリアにライムがもたらされた。雑種や、交雑により遺伝的に混合したゲノムのさらなる特定と解析からは、広く農作物として栽培されている主要なミカン品種の系譜に関する洞察が得られた。マンダリン類およびスイートオレンジ類には、大規模な類縁関係のネットワークが存在することが分かり、これらのミカン類の栽培化が明らかになった。こうしたマンダリン類に見られるザボンとの幅広い遺伝的混合、ならびにそうした事象と果実サイズや酸度との関連は、味の良いマンダリン類の選択においてザボンの遺伝子移入が果たしたと考えられる役割を示唆している。本研究は、ミカン属の新たな進化的枠組みを提供するものである。

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