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ウイルス学:スーティーマンガベイのゲノム塩基配列はSIV自然宿主におけるAIDS抵抗性に関する手掛かりを与える

Nature 553, 7686 doi: 10.1038/nature25140

ヒトでのヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染やマカクでのサル免疫不全ウイルス(SIV)感染とは対照的に、SIVの自然宿主であるスーティーマンガベイ(Cercocebus atys)のSIV感染は、高ウイルス血症を呈するにもかかわらず非病原性である。今回我々は、飼育下のスーティーマンガベイ1頭のゲノムの塩基配列解読とアセンブリを行った。スーティーマンガベイおよびヒトやマカクといったAIDS感受性種の転写産物アセンブリについてゲノム規模の比較解析を行ったところ、感受性に影響する宿主の遺伝的因子の候補が明らかになった。スーティーマンガベイのゲノムのいくつかの免疫関連遺伝子は、マカクやヒトとはかなり塩基配列が異なることが分かった。これらの塩基配列相違の1つであるスーティーマンガベイのtoll様受容体4(TLR4)遺伝子におけるC末端のフレームシフトは、TLR4リガンドに対するin vitroでの応答性の低下と関連している。さらに我々は、免疫調節タンパク質であるICAM-2のエキソン3–4における大きな構造変化を見いだした。このバリアントの発現は、ICAM-2の細胞表面発現の低下をもたらす。これらのデータは、HIV/SIVの病原性の比較ゲノム研究の情報資源となるとともに、SIV感染スーティーマンガベイがAIDSを回避する機構を明らかにする手助けとなると考えられる。

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