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冶金学:高強度アルミニウム合金の3D印刷

Nature 549, 7672 doi: 10.1038/nature23894

金属ベースの積層造形、すなわち三次元(3D)印刷は、航空宇宙産業、生物医学産業、自動車産業を含む複数の産業全体を一変させる可能性を秘めた技術である。金属構成要素を1層ずつ積み重ねることで、設計の自由度と製造の柔軟性が増すため、従来の「規模の経済」による制限が除かれるとともに、複雑な形状、製品のカスタマイズ性の向上、製品化に要する時間の短縮が可能になる。しかし今のところ、確実に印刷できる合金はわずかで、その内で特に重要な合金はAlSi10Mg、TiAl6V4、CoCr、Inconel 718だけである。印刷工程の溶融ダイナミクスと凝固ダイナミクスによって、大きな柱状粒子や周期的な亀裂を伴う許容できない微細構造が生じるため、現在使用されている5500を超える合金の大半は積層造形に適していない。今回我々は、積層造形中に凝固を制御する造核剤となるナノ粒子を導入することで、こうした問題を解決できることを実証する。我々は、結晶学的情報に基づいて造核剤を選択し、7075系と6061系のアルミニウム合金粉末に組み込んだ。造核剤によって機能化すると、これまで積層造形に適さなかったこれらの高強度アルミニウム合金を、選択的レーザー溶融を用いてうまく処理できることが分かった。亀裂のない、等軸(すなわち、長さ、幅、高さがおおよそ等しい粒子)の、微粒子化した微細構造が実現し、その結果、展伸材に匹敵する材料強度が得られた。金属ベースの積層造形のための今回の方法は、多様な合金に適用可能であり、一連の3Dプリンターに応用できる。従って、選択的レーザー溶融の代わりに電子ビーム溶融や指向性エネルギー堆積技術が使用される場合を含め広範な工業的応用性の基礎が得られ、溶接できないニッケル超合金や金属間化合物などの他の合金系の積層造形が可能になる。さらに、この技術は、凝固割れや熱間割れを共通問題とする、接合、鋳造、射出成形などの従来の処理過程にも使用できる。

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