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発生学:ヒト胚における病原性遺伝子変異の修正

Nature 548, 7668 doi: 10.1038/nature23305

ゲノム編集によって、生殖系列変異を標的として修正できる可能性がある。今回我々は、ヒト着床前胚において、内因性の生殖系列特異的DNA修復応答の活性化により、CRISPR–Cas9を基盤とする正確なターゲッティング精度と高い相同組換え修復効率でMYBPC3のヘテロ接合性変異の修正を行ったことを報告する。変異型の父系対立遺伝子で誘発された二本鎖切断(DSB)は、合成DNA鋳型ではなく相同な野生型の母系遺伝子を用いることで、大部分が修復された。DSBが誘発される細胞周期の段階を調節することによって、卵割中の胚にモザイクが生じるのを回避でき、野生型MYBPC3遺伝子をホモ接合で持っていてオフターゲット変異の所見のない胚を高収率で得ることができた。今回示した効率、精度、安全性から、この手法は、着床前遺伝子診断の補完として、ヒト胚での遺伝子変異の修正に使用できる可能性が示唆された。しかし、臨床応用の前に、この技術が他のヘテロ接合性変異でも再現されるかどうかといった、考慮すべき項目が多数残っている。

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