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がん:髄芽腫サブタイプのゲノム全体像

Nature 547, 7663 doi: 10.1038/nature22973

非常に悪性度の高い小児脳腫瘍である髄芽腫の現行の治療法には成長期の子どもを衰弱させる作用があるため、毒性の少ない分子標的治療の必要性が明確になっている。これまでの研究では、髄芽腫の各サブグループで働くドライバー遺伝子や分子過程の全スペクトラムを明らかにできていない。今回我々は、塩基配列を解読した491の髄芽腫試料全体にわたる体細胞の状況と、エピジェネティック解析を行った1256症例の分子的不均一性を解析し、これまでに知られていなかった利用可能な標的を含む、サブグループ特異的なドライバー変異を明らかにした。ドライバー変異は、グループ3とグループ4の髄芽腫サブグループに属するほとんどの患者に確実に割り当てることができ、これまでの知見が大幅に広がった。新たな分子サブタイプは、KBTBD4を標的として多発するインフレーム挿入や、PRDM6を活性化する「エンハンサーの乗っ取り」など、特異的なドライバー事象に別個に集まっていた。従って、1種類の小児がんから得た臨床試料の広大なコホートに統合ゲノミクスを適用することで、髄芽腫患者の治療で有望な標的となる、一連のがん遺伝子と、生物学的意味を持つサブタイプの多様性が明らかになった。

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