Letter

気候科学:全球海洋の酸素含有量の過去50年にわたる減少

Nature 542, 7641 doi: 10.1038/nature21399

海洋モデルからは、温暖化による酸素溶解度の低下と深海の換水の減少が組み合わさって、全球海洋の溶存酸素量が2100年までに1~7%減少すると予測されている。こうした海洋の酸素含有量の減少は、海洋の栄養循環や生息地に影響を及ぼし、漁業や沿岸経済に有害な結果をもたらす可能性があると考えられている。海域ごとの観測データは、全球海洋の大半の海域で海洋の溶存酸素濃度が連続的に減少していることを示しているが、これは研究によってさまざまで、いくつかの限られた海域では増加していることも報告されている。溶存酸素濃度の変動を全球スケールで解明することを試みた先行研究では、1970年代と1990年代のデータの比較に基づいて、深さ100~1000 mの全球酸素が10年当たり550 ± 130テラモル(1012 mol)減少していると報告されている。今回我々は、過去50年間の完全な海水柱について溶存酸素データと補助データを分析して、海洋全体の海域ごとの酸素含有量を定量的に評価した。その結果、全球海洋の酸素含有量は227.4 ± 1.1ペタモル(1015 mol)で、1960年以来2%(4.8 ± 2.1ペタモル)以上減少しており、海盆や深さによって酸素の減少に大きな差違があることが分かった。我々は、水柱上部の変化は、温暖化によって生じた溶解度の減少と生物による消費に主に起因していると提案する。海洋のより深部における変化の起源は、海盆スケールの数十年変動、海洋の鉛直循環の減速、生物による消費の潜在的増加である可能性がある。

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