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植物科学:キヌアのゲノム

Nature 542, 7641 doi: 10.1038/nature21370

キヌア(Chenopodium quinoa)は栄養価の高い穀類であり、世界の食料安全保障を改善する重要な作物と見なされている。しかし残念ながら、キヌアの遺伝的改良の促進に利用可能な情報資源はほとんど存在しない。本論文では、キヌアの高品質な染色体規模の参照ゲノム塩基配列のアセンブリ結果を示す。これは、単一分子リアルタイム塩基配列解読法と、光学地図、染色体接触地図および遺伝子地図とを併用することによって得られた。我々はまた、キヌアの祖先遺伝子プールに由来する2つの二倍体ゲノムの塩基配列解読(これによりキヌアのサブゲノムが明らかになった)とともに、それ以外の異質四倍体アカザ類の22の試料に関する低カバー率のゲノム塩基配列解読結果についても報告する。今回得られたゲノム塩基配列によって、キヌア種子に認められる非栄養性のトリテルペン系サポニンの産生を制御すると考えられる転写因子が明らかになった。この転写因子には、キヌアの甘い系統で選択的スプライシングを引き起こすと見られる変異や未成熟終止コドンが含まれる。これらのゲノム資源は、キヌアの遺伝的改良に向けた重要な第一歩となる。

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