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がん:食道がんの総合的なゲノム特性解析

Nature 541, 7636 doi: 10.1038/nature20805

食道がんは世界的によく見られるがんだが、標的療法はほとんど存在せず、生存率は依然として非常に低い。本研究で我々は、西洋人集団および東洋人集団に由来する164例の食道のがんについて、分子レベルでの総合的な解析を行った。食道扁平上皮がんと食道腺がんでは、既知の病理組織学的および疫学的な違いに加えて、分子的な特徴においても差異が認められた。食道扁平上皮がんは、食道腺がんよりも、他の器官の扁平上皮がんと類似していた。我々の解析から、食道扁平上皮がんに3つの分子的サブクラスがあることが明らかになったが、ヒトパピローマウイルスが病因であることを示す証拠は見つからなかった。扁平上皮がんでは、CCND1SOX2および/またはTP63のゲノム増幅が高頻度で見られたが、腺がんではERBB2VEGFAおよびGATA4GATA6がより一般的に増幅していた。食道腺がんは、胃腺がんの染色体が不安定なバリアントに非常に似ていることから、これらのがんが単一の疾患単位と見なされ得ることを示唆している。しかし、DNAの過剰メチル化など一部の分子的特徴については、食道腺がんで不均一に起きていることが分かった。以上のデータは、これら一連の腫瘍をより合理的に分類するための枠組みや、新たな治療法の基盤を提供するものである。

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