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進化学:タツノオトシゴのゲノムおよびその特異な形態の進化

Nature 540, 7633 doi: 10.1038/nature20595

タツノオトシゴ類の形態は特異で、長い管状の吻の先端に小さな口があり、歯はなく、体は骨板で覆われており、雄に育児嚢があり、尾鰭および腹鰭を欠く。今回我々は、タイガーテールシーホース(Hippocampus comes)のゲノム塩基配列解読およびde novoアセンブリの結果を報告する。ゲノムの比較解析から、H. comesでは、他の真骨魚類ゲノムと比べてタンパク質およびヌクレオチドの進化速度が速いことが明らかになった。アスタシンメタロプロテアーゼ遺伝子ファミリーは拡大しており、雄の育児嚢で高発現していた。また、H. comesゲノムには、エナメルマトリックスタンパク質をコードするプロリン/グルタミンリッチな分泌性のカルシウム結合リン酸化タンパク質遺伝子が存在しないことも分かり、これが石灰化した歯の喪失につながった可能性がある。H. comesゲノムではさらに、後肢発生の調節因子であるtbx4も欠失していた。ゼブラフィッシュでtbx4をノックアウトしたところ、タツノオトシゴに似た「腹鰭欠損」表現型が現れた。

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