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ウイルス学:ヒト中和抗体はマウスでジカウイルスの複製と胎児疾患を防ぐ

Nature 540, 7633 doi: 10.1038/nature20564

ジカウイルス(ZIKV)は新たに出現した蚊媒介性フラビウイルスであり、妊娠中に起こる胎児の先天異常などの重篤な疾患の原因となることがある。我々は、ZIKVに対する治療薬候補を開発するため、以前にZIKVに感染した被験者からヒトのモノクローナル抗体のパネルを単離した。一部の抗体は、エンベロープ(E)タンパク質上のさまざまなエピトープを認識し、強い中和作用を示す。最も抑制力の高い抗体の1つであるZIKV-117は、アフリカ系統およびアジア系アメリカ系統に対応するZIKV株の感染を広範囲に中和した。エピトープマッピング解析から、ZIKV-117は、Eタンパク質の二量体間接触面の独特な四次構造エピトープを認識することが分かった。妊娠しているマウスと妊娠していないマウスで、ZIKV-117の治療効果を評価した。モノクローナル抗体の投与は、マウスで組織病変、胎盤や胎仔への感染、死亡率を顕著に減少させた。従って、ヒト中和抗体により母体から胎仔への伝播、感染および疾患を防止できる可能性があり、構造に基づく合理的なワクチン設計のための重要な決定要因が明らかになった。

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