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免疫学:HIV-1抗体3BNC117はヒトで治療中断の間のウイルスリバウンドを抑制する

Nature 535, 7613 doi: 10.1038/nature18929

HIV-1感染患者では、抗レトロウイルス薬を組み合わせて用いる多剤併用療法の中断は速やかなウイルスリバウンドにつながる。3BNC117は、HIV-1 Envタンパク質のCD4結合部位に対する強力な広範囲中和抗体である。今回我々は、解析目的での治療中断の間の3BNC117の効果を評価するために、13人のHIV-1感染患者で行われたオープンラベル第IIa相臨床試験の結果を報告する。参加者として登録されたのは、分離培養で3BNC117感受性のウイルスが増殖する患者である。3週間隔で2回、または2週間隔で4回の3BNC117の30 mg kg−1の注射には、一般的に良好な忍容性が見られている。こうした注射では、過去の対照群の2.6週間というリバウンド遅延に比べて、2回の注射後には5~9週、4回の注射後には最長19週までのウイルスリバウンドの遅延を伴っていた。遅延は平均するとそれぞれ6.7週および9.9週となる(P < 0.00001)。リバウンドしてくるウイルスは、単一のプロウイルスから主に派生している。またほとんどの患者で、出現してくるウイルスは抵抗性が高くなっており、エスケープを経ていることが示唆される。しかし今回の参加者の30%では、抗体濃度が20 μg ml−1を下回るまで抑制が維持され、これらの被験者に出現したウイルスは、このうちの1人だけに出現したものを除いて、全てが3BCN117に対する抵抗性を見かけ上は示さなかったので、9~19週間にわたってのエスケープは失敗していると考えられる。我々は、3BNC117の投与が、ヒトでの解析目的の治療中断の間に潜伏リザーバーから出現するHIV-1に強力な選択圧を及ぼすと結論している。

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