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ウイルス学:熱的に安定なジカウイルスの構造

Nature 533, 7603 doi: 10.1038/nature17994

以前はさほど関心が持たれていなかった病原体であるジカウイルス(ZIKV)は、最近になって胎児の小頭症や成人のギラン・バレー症候群との関連が明らかになった。今回我々はZIKVの3.7 Å分解能での低温電子顕微鏡構造を明らかにし、ウイルスの全体的な構造が他のフラビウイルスのそれと類似していることを示す。ZIKVエンベロープ(E)タンパク質のアミノ酸配列や構造を他のフラビウイルスと比較したところ、Eタンパク質の一部は神経毒性を示すウエストナイルウイルスや日本脳炎ウイルスと非常によく似ているが、それら以外の部分はデングウイルス(DENV)に類似していることが分かった。しかし、フラビウイルスの病理生物学的性質へEタンパク質がどう関わっているのかは、現在まだ明らかになっていない。ZIKVの粒子は、40°Cという高温においても構造的に安定であることが観察され、この点は熱的安定性がより低いDENVとは大きく異なっている。この性質はまた、さまざまな温度でのZIKVの感染性をDENV血清型2および4(DENV2およびDENV4)と比較した結果にも反映されている。低温電子顕微鏡構造から、ZIKVがよりコンパクトな表面を持つウイルスであることが明らかになった。この構造的安定性が、精液や唾液、尿中という厳しい環境下で生き残るのを助けているのかもしれない。この構造を不安定化する抗体または薬剤は、ウイルス感染症の転帰を改善し、ウイルスの拡散を制限するのに役立つと考えられる。

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