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惑星科学:エンセラダス内の今も続いている熱水活動

Nature 519, 7542 doi: 10.1038/nature14262

土星の衛星エンセラダス(日本語では、エンケラドス、エンケラドゥスとも称される)のプルーム活動によって放出された氷粒子がナトリウム塩に富んでいるという発見は、エンセラダス内部では現在(または過去から現在まで)液体の水が岩石と接しており、その液体の水がプリューム噴出時に凍結することによってこれらの氷粒子が作られたことを示唆している。重力場測定の結果は、厚さ30~40 kmの南極地域の氷地殻の真下に厚さ10 km程度の地下海があることを示している。これらの発見からは、エンセラダスのコアの周囲に岩石と水とが相互作用する領域があることが示唆される。相互作用の結果として起こった化学的「痕跡」は液体の中に保存され、その後、表面近くのプルーム源まで輸送されると予想され、最終的にはそれらは噴出し、探査機によって観測される可能性がある。本論文では、土星系に特徴的な氷粒子よりも際立ってケイ素に富んだナノサイズの塵粒子(いわゆる、ストリーム粒子)の分析結果を報告する。これらの塵粒子はナノサイズのSiO2(シリカ)であって、もともとエンセラダスの地下海から噴出した氷粒子の中に埋め込まれ、土星のE環内でスパッタ浸食によって放出されたと、我々は考えている。ストリーム粒子の成分や、そのサイズ範囲が半径2~8 nmと極めて小さいことは、エンセラダスの海洋底に全球規模の地熱活動に伴う活発な高温熱水反応( > 90°C)が存在し、それによって少なくとも深さ40 kmの海洋底からエンセラダスのプルーム源まで熱水生成物が一気に輸送されていることを示している。

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