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免疫学:CRISPR–Cas獲得免疫の際のインテグラーゼを介したスペーサー獲得

Nature 519, 7542 doi: 10.1038/nature14237

細菌と古細菌は、外来DNAから獲得したスペーサー配列をCRISPR遺伝子座に挿入することによって、免疫記憶を生じさせる。大腸菌(Escherichia coli)のCas1–Cas2複合体はin vivoでスペーサーの獲得に関わるが、この過程が起こる際の分子機構はまだ解明されていない。今回我々は、精製したCas1–Cas2複合体が、基質であるオリゴヌクレオチドDNAをアクセプターDNAへと組み込み、その結果としてレトロウイルスのインテグラーゼとトランスポザーゼによって生じるものとよく似た産物が生じることを明らかにする。Cas1は触媒サブユニットであり、Cas2は組み込み活性を大幅に高める働きをする。この過程には、遊離の3′-OH末端を持つプロトスペーサーDNAと標的となる超らせんDNAが必要で、組み込みはCRISPRリピート配列の末端と、CRISPRリーダー配列に似たATリッチ領域の隣にある十字形構造配列に隣接した配列で選択的に起こる。これらの結果により、Cas1–Cas2複合体がスペーサーDNA獲得を触媒する最小限の装置であることが明らかになり、またCas1–Cas2を介した獲得免疫が持つ配列特異性、構造特異性にCRISPRリピートが重要であることが説明される。

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