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ゲノミクス:ショウジョウバエトランスクリプトームの多様性と動態

Nature 512, 7515 doi: 10.1038/nature12962

動物のトランスクリプトームは動的であって、それぞれの細胞タイプ、組織、器官系ごとに異なる転写産物アイソフォームの集合を発現して、大幅な多様性を生み出す。本研究では、ポリ(A)+ RNA塩基配列解読を用いて、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の培養細胞株、解剖した器官系、および環境を変化させた条件下において、新たな遺伝子、転写産物、タンパク質を明らかにした。我々は、ほぼ神経特異的な少数の遺伝子群が、それぞれに多くの選択的プロモーターを用いたりRNAスプライシングを行ったりすることで、潜在的に数千の転写産物をコードしていることを見いだした。スプライシングの変化の幅は、発生ステージ間より組織間で大きく、性特異的に見られるスプライシングのほとんどは、生殖巣特異的なものだった。生殖巣はこれまでに知られていなかった数百のコードRNAと長鎖非コードRNA(lncRNA)を発現しており、それらの中には、タンパク質をコードする遺伝子に対してアンチセンス鎖であるものや、短鎖調節RNAを産生するものもある。さらに、これまでに明らかにされている広範囲の遺伝子間転写は、主に新たに発見されたイントロン内で起きていた。ショウジョウバエのトランスクリプトームは、これまでに考えられていたよりもずっと複雑であり、この複雑性はプロモーターやスプライシング部位、およびポリアデニル化部位を組み合わせて使うことにより生じている。

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