Article

精神医学:統合失調症に関連する108の遺伝子座から得られた生物学的考察

Nature 511, 7510 doi: 10.1038/nature13595

統合失調症は遺伝要因の寄与が大きい疾患である。その遺伝的リスクには多数の対立遺伝子が関与しており、そのうち影響は小さいが頻度の高い対立遺伝子は全ゲノム関連解析で検出可能だと考えられる。本論文では、36,989例に及ぶ統合失調症患者と対照113,075例について、多段階の統合失調症全ゲノム関連解析を報告する。我々は、厳密に定義されたゲノムワイドな有意水準を満たす、108座位にわたる独立した128の関連を明らかにした。このうちの83座位はこれまでに統合失調症との関連が報告されていない座位である。こうした関連が脳に発現する遺伝子に多く認められることは、今回の知見の生物学的妥当性を示している。得られた結果の多くは、病因解明につながる全く新しい手がかりをもたらす可能性がある。一方で、DRD2(ドーパミンD2受容体遺伝子)やグルタミン酸神経伝達に関与するいくつかの遺伝子との関連は、統合失調症に治療的意義を持つ既知および新規候補の分子を明確にするとともに、主要な病態生理学的仮説に一致していた。これらの関連は、脳に発現している遺伝子だけでなく、免疫系で重要な役割を担う組織に発現する遺伝子にも多く認められたことから、免疫系と統合失調症との間に存在すると推定されていた結び付きが裏付けられた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度