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植物科学:ユーカリの一種であるEucalyptus grandisのゲノム

Nature 510, 7505 doi: 10.1038/nature13308

ユーカリは世界で最も広く栽植されている硬材高木である。その著しい多様性、適応性および成長の速さによって、ユーカリは繊維やエネルギーの世界的な再生可能資源となっている。我々は、ユーカリの一種であるローズガム(Eucalyptus grandis)の640メガ塩基のゲノム配列のうち94%以上を解読し、塩基配列の組み立てを行った。タンパク質をコードすると予想される遺伝子36,376個のうち、34%は縦列重複となっており、この比率はこれまで塩基配列が解読された植物ゲノムの中で最大である。ユーカリはまた、化学的防御物質として機能し、独特な薬用精油の成分ともなるテルペン類などの特殊化した代謝産物の遺伝子群についても最大の多様性を示す。ローズガムの姉妹種であるブルーガム(E. globulus)と、一群の近交系ローズガム樹木のゲノム塩基配列を解読した結果、動的なゲノム進化および近交弱勢のホットスポットが明らかになった。今回解読されたローズガムのゲノムは、真正双子葉類フトモモ目では最初の参照ゲノムであり、その解析からユーカリは真正バラ類の姉妹群に位置付けられた。この情報資源は、大型多年生木本植物に特有の生物学的性質に関する理解を深めるとともに、比較生物学、育種およびバイオテクノロジーを促進するための強力な手段となる。

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