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免疫:エンドソームは細菌検知とNOD2シグナル伝達のための特化したプラットフォームである

Nature 509, 7499 doi: 10.1038/nature13133

病原微生物の検出には、Toll様受容体(TLR)やNOD様受容体(NLR)などの宿主細胞のセンサーが関わっていて、これらが保存されている微生物構成成分を認識する。TLRは膜受容体で、微生物の感染について細胞外環境を監視するのに対し、NLRは細胞質に存在する複合体で、細胞質に到達した微生物に由来する産物を検出する。これらのセンサーは共に自然免疫炎症応答を引き起こし、適応免疫を起動させる。エンドリソソームは多様な病原体の侵入部位であり、そのため免疫系が病原体の存在を最初に感知する部位である。エンドサイトーシスによって内部に取り込まれた病原体は、エンドサイトーシス区画内に局在してエンドソーム内腔に存在するリガンドを検出するTLR3やTLR7~9を活性化させることがよく知られている。細胞内に取り込まれた病原体は、NOD1やNOD2などの細胞質に存在するセンサーも活性化させ、このことはエンドソームが細菌構成成分のエンドソーム膜を通過する輸送を行っていることを示している。NOD2が自然免疫応答の調節に重要な役割を担っていることはよく知られており、またNOD2遺伝子座に起こった変異が炎症性腸疾患だけでなく、おそらくはその他の慢性炎症状態にとっても一般的なリスク因子であるという事実にもかかわらず、NOD2のリガンドがエンドソームから離脱する仕組みはほとんど分かっていない。本論文では、エンドリソソームの2つのペプチド輸送体SLC15A3とSLC15A4が、樹状細胞で選択的に発現され、特にTLR刺激後にその発現が増すことを示す。これらの輸送体は、NOD2のコグネイトリガンドであるムラミルジペプチド(MDP)などの細菌由来構成成分の細胞質への排出に関わっており、エンドソーム由来のMDPに対するNOD2の応答に選択的に必要とされる。これらの輸送体の発現が上昇すると、樹状細胞の特徴であるエンドソーム膜の細管構造も形成され、これがMDPに対するNOD2依存的応答をさらに増強した。また、微生物の検知には、NOD2とそのエフェクターキナーゼであるRIPK2のエンドソーム膜への動員が必要で、この動員はおそらくSLC15A3およびSLC15A4との複合体形成によっている。従って、樹状細胞のエンドソームは、エンドソーム内腔と細胞質の両方での病原体検知のために特化したプラットフォームである。

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