Article

神経科学:出生前ヒト脳の転写の全体像

Nature 508, 7495 doi: 10.1038/nature13185

ヒト脳の解剖学的および機能的な構造は、出生前の転写過程によって主に決定される。我々は、妊娠中期のヒト脳の解剖学的に包括的なアトラスを報告する。このアトラスには、de novo参照アトラス、in situハイブリダイゼーション、超高分解能の核磁気共鳴画像法(MRI)およびレーザーマイクロダイセクションにより非常に細かく分割された脳領域のマイクロアレイ解析を含む。発生中の大脳皮質ではさまざまな増殖層と有糸分裂後層の間で転写の差異が見られ、そこでは各層の特徴はそれぞれ細胞構成および発生過程を反映していた。ヒトとマウスの間の細胞構造的な差異には、サブプレートでの遺伝子発現における種間の差異などの、分子的な相関要因がある。しかし、意外なことに、ヒトでは外側脳室下帯が拡大しているにもかかわらず、脳室下帯の内側と外側の遺伝子発現にはわずかな差異しか見られなかった。胚芽層および有糸分裂後皮質層の両方が、前頭–側頭勾配を示し、特に前頭葉での発現上昇が著しかった。また、神経発達障害およびヒトの進化に関連する多くの遺伝子は、パターン化された発現を示し、これはヒトの皮質形成に見られる独特な特徴の基盤となっている可能性がある。これらのデータは、ヒト脳の発生を理解するための、豊富で、自由に利用できる情報源となる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度