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構造生物学:低温電子顕微鏡法により決定されたTRPV1イオンチャネルの構造

Nature 504, 7478 doi: 10.1038/nature12822

TRP(transient receptor potential)チャネルは細胞や環境からの幅広いシグナルを感知するセンサーだが、詳細な構造情報がないことで、これらのチャネルが物理的、化学的な刺激に応答する機構の解明が阻まれてきた。今回我々は、低温電子顕微鏡法の進歩によって、哺乳類TRPチャネルのTRPV1の構造を3.4 Å分解能で決定した。これは、膜タンパク質を結晶化しないで行う構造解析での側鎖に対する分解能の限界を打ち破るものだ。電位依存性チャネルと同様に、TRPV1は中央のイオン通路の周りに4回対称性を示す。このイオン通路は、S1–S4電圧センサー様ドメインの横に位置する膜貫通セグメント5–6(S5–S6)とその間の小孔ループにより形成されている。TRPV1には、細胞外に、短い選択性フィルターを持つ大きな「口」がある。保存された「TRPドメイン」はS4–S5リンカーと相互作用しており、TRPドメインがアロステリック調節に寄与していることが裏付けられた。サブユニットの組織化は、アミノ末端アンキリンリピートなどの細胞質側ドメイン間の相互作用によって促進されている。これらの観察により、TRPチャネル機能の独自の特徴を理解するための構造的な設計図が与えられる。

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