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医学:A型インフルエンザウイルスH7N9のフェレット間での空気感染は限定的である

Nature 501, 7468 doi: 10.1038/nature12476

野生の水鳥はA型インフルエンザウイルスの主なリザーバーとなっており、そこからヒトなどのさまざまな第二宿主への直接もしくは間接的な感染が発生する。鳥からヒトへの直接伝播は、ヒトの家禽への曝露の際にウイルスのA(H5N1)、A(H7N2)、A(H7N3)、A(H7N7)、A(H9N2)およびA(H10N7)亜型で観察されているが、ヒトからヒトへの持続的感染が起こらなかったことで、このようなウイルスが新たなパンデミックを引き起こすことが防がれてきた。最近、中国でA型鳥インフルエンザウイルス(H7N9)がヒトに感染し、重篤な呼吸器疾患の原因となって死者が出た。呼吸器飛沫やエアロゾルを介した感染(以後、空気感染と呼ぶ)はヒト間の効率的な感染の主要経路なので、A(H7N9)ウイルスの空気感染について手がかりを得るのは重要である。今回我々は、A(H7N9)ウイルスのA/Anhui/1/2013はヒトへの適応および哺乳類間の伝播能力に関連する決定因子を有しているが、フェレット間での空気感染は限定的であり、またその伝播能力は、ヒトおよび鳥の典型的なインフルエンザウイルスの伝染性と比べると中間レベルにあることを示す。A(H7N9)ウイルスでは複数の遺伝的変異株が感染性を示した。フェレットで継代した場合、鳥受容体への結合がより強く、融合pHがより高く、温度安定性がより低い変異株が選択され、これによって伝播能力が低下する可能性が考えられた。このA(H7N9)ウイルスの流行は、哺乳類間での鳥インフルエンザウイルスの効率のよい空気感染に関する決定因子の解明を進める必要性を強調している。

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