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物理学:量子点接触における創発的(emergent)局在による奇数と偶数の近藤効果

Nature 501, 7465 doi: 10.1038/nature12491

量子ポイントコンタクト(QPC)は、ナノメートルスケールの基本電子デバイスで、2個の電子溜の間の短くかつ狭い輸送チャネルである。欠陥の少ないチャネルでは、電子輸送は弾道的であり、そのためコンダクタンスはチャネル幅の関数として量子化され、2e2/heは電子電荷、hはプランク定数)の整数倍のところにプラトーがある。これは、電子状態が伝搬する波動であり、電子–電子相互作用を考慮する必要がないという描像で理解できる。このように、量子化コンダクタンスは、ナノスケールの電子輸送が根本的に制御されることを示す特徴となる。しかし、最も欠陥の少ないQPCによる研究でも、量子化コンダクタンストレースに著しい異常が一般的に見られ、こうした結果は電子多体効果から生じるという点で意見が一致している。徹底的な実験研究や理論研究にもかかわらず、こうした異常の解明は未解決の問題である。今回我々は、この多体効果の起源は、QPCチャネル内部における電子電荷密度のフリーデル振動から生じる1つ以上の自発的な局在状態であることを報告する。この局在状態には電子スピンが付随し、こうした局在電子スピンを通る電子輸送に関係する近藤効果が多体状態の形成に寄与する。我々は、局在状態の数のパリティを直接反映し、奇数特性か偶数特性の近藤効果を伴う、そうした局在を示す証拠を提示する。この証拠は、長さを調整できるQPCによる実験から得られ、多体特性が周期的に変化し、近藤効果の特徴が奇数の近藤効果と偶数の近藤効果の間を交替する。今回の結果は、より複雑なハイブリッドデバイスにおけるQPCの役割の評価や、スピントロニクスと量子情報への応用で重要になる。さらに、今回の結果は調整可能なQPCによって、ナノスケール系の多体効果を研究する用途の広いプラットフォームが得られ、単一サイトのレベルでこのような物理現象を調べる能力があることも示している。

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