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がん:ヒトのがんにおける変異過程のシグネチャー

Nature 500, 7463 doi: 10.1038/nature12477

あらゆるがんは体細胞変異に起因するが、これらの変異を生じる生物学的過程についての理解は限定的である。がんゲノムの体細胞変異をカタログ化することで、作用している変異過程のシグネチャーが現れる。本研究では、7,042のがんから4,938,362個の変異を解析し、20個以上の異なる変異シグネチャーを抽出した。これらのシグネチャーの中には多くの種類のがんで見られるものがあり、特にシチジンデアミナーゼのAPOBECファミリーに起因すると考えられるものがそうであるが、一方他のものは単一のがん種に限られていた。ある特定のシグネチャーは、がん診断時の患者の年齢や、既知の変異原への曝露、DNA維持管理の異常と関連しているが、多くについてはその原因が不明である。これらの全ゲノムでの変異シグネチャーに加えて、「kataegis」というゲノムの狭い領域に集中する高頻度変異が、多種類のがんで見つかった。今回の結果は、がんの発生の根本となる変異過程の多様性を明らかにし、がんの原因論の解明やがんの予防および治療に影響を及ぼす可能性がある。

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