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遺伝:アブラヤシのSHELL遺伝子は油脂の収量を支配し、SEEDSTICKのホモログをコードする

Nature 500, 7462 doi: 10.1038/nature12356

ギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)の栽培化および育種で起こった重要な事象の1つは、種子(仁)を取り囲むココナツ様の厚い殻の消失である。現代のギニアアブラヤシには、dura(厚い殻を持つ)、pisifera(殻を持たない)、および両者の雑種であるtenera(薄い殻を持つ)という3種類の果実形態が存在する。一般にpisiferaのアブラヤシは雌性不稔である。teneraのアブラヤシは油脂の収量がduraをはるかに上回り、東南アジア全域でパーム油の商業生産を支えている。本研究では、異なる果実形態をもたらすSHELL遺伝子のマッピングと同定を行った。塩基配列解読を使うホモ接合性マッピングにより、MADSボックス遺伝子SEEDSTICKSTK、別名AGAMOUS-LIKE 11とも呼ばれ、シロイヌナズナで胚珠の特性や種子の発生を支配する遺伝子)のホモログのDNA結合ドメインに、独立した変異が2つ見つかった。SHELL遺伝子は、サハラ以南のアフリカの栽培アブラヤシおよび野生アブラヤシの双方にtenera表現型をもたらしており、今回の知見は、ヘテロ二量体化によるSHELLに起因する単一遺伝子雑種強勢(ヘテロシス)を遺伝学的に説明している。この遺伝子変異は、アブラヤシの最大の経済学的形質を説明しており、世界の食用油生産、バイオ燃料および多雨林保全に対する競合的利益にも関係している。

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