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遺伝:アブラヤシのゲノム塩基配列から明らかになった、旧世界および新世界での交配可能な種の分岐

Nature 500, 7462 doi: 10.1038/nature12309

アブラヤシは最も生産性の高い油料作物である。アブラヤシの栽培は世界の油料作物作付面積の5%でしかないが、その果実から得られるパーム油は、世界で生産される植物油の33%および食用油の45%を占める。しかし、栽培域の増加には多雨林保護区の減少が伴う。本論文では、世界の油脂の主要な生産源であるアフリカ原産のギニアアブラヤシ(Elaeis guineensis)の1.8ギガ塩基(Gb)のゲノム塩基配列を報告する。再構築された合計1.535 Gbの塩基配列と、30種類の組織から得たトランスクリプトーム・データを用いて、油脂の生合成に関わる遺伝子やWRINKLED1WRI1)のホモログ群、および種子(仁)で高発現している他の転写調節因子を含む、少なくとも34,802個の遺伝子を予測した。また我々は、南米原産のアメリカアブラヤシ(Elaeis oleifera)の概要ゲノム配列も報告する。アメリカアブラヤシは、ギニアアブラヤシと染色体数が同じ(2n = 32)で、ギニアアブラヤシとの稔性種間雑種が得られるが、新世界で分岐したと考えられる。染色体腕の分節重複から、ヤシは古四倍体(palaeotetraploid)起源であることが明らかになった。アブラヤシの塩基配列によって、重要な形質に関与する遺伝子や、商業的作付けにおけるクローンの使用を制限するソマクローン性エピジェネティック変化の発見が可能になり、従って、バイオ燃料や食用油の持続可能性の実現や、この熱帯プランテーション作物による多雨林侵食の減少にも役立つだろう。

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