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微生物学:微生物ダークマターの系統発生とコード化能力に関する手がかり

Nature 499, 7459 doi: 10.1038/nature12352

ゲノムの塩基配列解読は、生物圏を形作る進化的および機能的多様性の詳細な全体像を提供することで、生物の世界に関する理解を深める。しかし、多くの微生物がいまだに実験室で培養できずにいるため、これまでに明らかになった微生物ゲノムの系統的な範囲は限られている。本研究では単一細胞ゲノミクスを用いて、9種類の多様な生息環境に由来する、系統樹上で位置がほとんど確定していない29本の主要な枝(いわゆる「微生物ダークマター」)に属する未培養の古細菌および細菌の細胞201個に狙いを絞り、塩基配列解読を行った。この新たなゲノム情報により、門内および門間レベルの類縁関係を多数明らかにすることができ、新たな上門が2つ示唆された。我々は、生物に関する理解を広げる予想外の代謝特性を明らかにし、生物の3ドメインの間に確立されている境界に対して疑問を提起する。そうした特性の中には、オパール終止コドンへの新たなアミノ酸の利用、細菌の古細菌型プリン合成、および細菌のものに類似した古細菌の完全なシグマ因子が含まれる。今回の単一細胞ゲノムは、一部の生息環境のメタゲノムリード配列の最高20%に関して系統発生的な位置付けを明らかにするのにも役立ち、生態系機能の生物体レベルでの解釈を促進させた。本研究は、系統樹に対応するゲノム情報を大幅に拡張し、地球上の生物の進化に関する理解を体系的に深めるための一歩となる。

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