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医学:腎明細胞がんの包括的な分子特性解析

Nature 499, 7456 doi: 10.1038/nature12222

腎明細胞がん(ccRCC)の原因となる遺伝的変化には、細胞の酸素感知を制御する遺伝子(例えばVHL)やクロマチンの状態維持を制御する遺伝子(例えばPBRM1)に生じた変化などがある。我々は、さまざまなゲノム解析基盤技術を利用して400例以上の腫瘍を調べ、著しい変異の見られる19個の遺伝子を同定した。PI(3)K/AKT経路に変異が頻発していることから、この経路が治療標的候補になると考えられた。広範囲のDNAの低メチル化には、H3K36メチルトランスフェラーゼSETD2の変異が関連していた。また、統合的な解析によって、SWI/SNFクロマチンリモデリング複合体(PBRM1ARID1ASMARCA4)に関わる変異は、他の複数の経路にまで及ぶ広範な影響を与える可能性があることがわかった。侵襲性の高いがんでは代謝が変化していることを示す証拠が得られた。例えば、TCA回路に関わる遺伝子の下方制御、AMPKおよびPTENタンパク質量の減少、ペントースリン酸経路に関わる遺伝子およびグルタミン輸送体遺伝子の上方制御、アセチルCoAカルボキシラーゼタンパク質の増加、miR-21(別名MIR21)およびGRB10のプロモーターのメチル化の変化などである。従って、細胞代謝のリモデリングはccRCCによく見られるパターンであり、これは腫瘍の病期や重症度と相関があることから、疾患治療の糸口を知るための新たな手がかりとなるだろう。

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