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ゲノミクス:微小な植物ゲノムの構造と進化

Nature 498, 7452 doi: 10.1038/nature12132

植物のゲノムサイズの進化は、全ゲノム重複(WGD)や転移性遺伝因子の増加といったさまざまな作用により、基本的には一方向であり増大していると考えられてきた。しかし、被子植物の系統樹において、極端なゲノムサイズの減少が報告されている。今回我々は、食虫植物タヌキモ属のオオバナイトタヌキモ(Utricularia gibba)の8200万塩基のゲノム配列を報告する。オオバナイトタヌキモのゲノムはサイズが極めて小さいにもかかわらず、植物として典型的な数の遺伝子を持っており、他の植物のゲノムとの主要な違いは非遺伝子DNAの大幅な減少に起因していた。意外なことに、オオバナイトタヌキモでは、トマト(Solanum)やブドウ(Vitis)との共通祖先から、少なくとも3回のWGDがあったことが認められた。オオバナイトタヌキモのゲノムの圧縮された構造から、複雑な生物の発生と生殖に必要な全ての過程を調節し統合するには、活性のあるレトロトランスポゾンがほとんどない遺伝子間DNAの小さな領域で十分であることが示される。

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