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進化:3つのらせん卵割動物ゲノムから得た、左右相称動物の進化についての考察

Nature 493, 7433 doi: 10.1038/nature11696

現在、動物の多様性をゲノミクスでとらえた全体像では、軟体動物および環形動物というよく知られた2つの門が置き去りにされている。この2つの門は、合わせると既知の海洋動物種の3分の1近くを占め、生態学的にも、また古典的発生学の実験系としても重要である。今回我々は、軟体動物のナスビカサガイ(Lottia gigantea)、環形動物の海産多毛類イトゴカイの一種(Capitella teleta)、環形動物の淡水産ヒルの一種(Helobdella robusta)の概要ゲノム塩基配列を解読し、それらをほかの動物のゲノムと比較して、左右相称動物の起源と多様化についてゲノミクスの観点から検討した。すると、これらの種のゲノム構成、遺伝子構造、機能的内容は、これまでにゲノムが解読されている旧口動物(ハエ、線虫、扁形動物)よりも、一部の無脊椎新口動物(ナメクジウオ、ウニなど)に類似していることがわかった。これらのゲノム特性が保存されていることから、左右相称動物の最終共通祖先に存在した遺伝子のリストの拡張が可能となり、ゲノムの複数の特徴を利用して左右相称動物の3系統への多様化を確認し、古くから保存されている遠距離および近距離の遺伝的連鎖を後生動物全般にわたって同定することができた。左右相称動物全体に広く保存されているこの遺伝的基盤に重ね合わせることで、ゲノム再編成の速度変動、イントロンの獲得や喪失、遺伝子ファミリーの拡大や縮小、クレード特異的遺伝子の進化など、それぞれのゲノムに固有の特性を生じさせる系列特異的なゲノム進化の例が見つかった。

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