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遺伝:全ゲノムショットガン塩基配列解読法を用いたパンコムギゲノムの解析

Nature 491, 7426 doi: 10.1038/nature11650

パンコムギ(Triticum aestivum)は、世界的に重要な作物であり、人類が消費するカロリーの20%を占める。遺伝的多様性を増大させたり、重要な形質を解析したりすることでコムギの生産量を増加させようとする努力が世界中でなされており、ゲノムについての情報資源はそうした進歩を加速させることができる。しかし、パンコムギのゲノムは非常に大型であり、倍数体で複雑であることが、これまで解析の大きな障壁となっていた。今回我々は、454パイロシークエンス法を使用して、この巨大な17ギガ塩基対の六倍体ゲノムの塩基配列解読を行い、得られた配列を、二倍体の祖先種および原種のゲノム配列と比較したことを報告する。94,000〜96,000個の遺伝子が同定され、その3分の2を六倍体コムギの3種類のゲノム成分(A、BおよびD)に対応させた。高解像度のシンテニー地図から、保存された遺伝子順序に小規模の乱れが多数見つかった。さらに、パンコムギの六倍体ゲノムは非常に動的であり、倍数化および栽培化の過程で遺伝子ファミリーメンバーの大きな喪失が起こっており、遺伝子断片が大量に存在することが明らかになった。エネルギー獲得、代謝および成長に関与するいくつかのクラスの遺伝子は、作物の生産性に関連すると考えられている拡大した遺伝子ファミリーに含まれている。今回の解析結果は、大規模な遺伝的多様性の同定と相まって、遺伝子の発見を加速し、この主要な作物を改良させるための情報源となる。

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