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医学:肺扁平上皮がんゲノムの包括的特徴解析

Nature 489, 7417 doi: 10.1038/nature11404

肺扁平上皮がんは、一般的な種類の肺がんであり、全世界で年間およそ40万人がこのために死亡している。肺扁平上皮がんのゲノム変化は、包括的な特徴解析が成されておらず、このがんの治療のために開発された分子標的薬はまだない。「がんゲノムアトラス」計画の一環として、今回我々は、肺扁平上皮がん178検体の特徴を解析し、ゲノム変化とエピゲノム変化についての包括的な全体像を示す。この腫瘍タイプは複雑なゲノム変化を特徴としており、1つの腫瘍につき、平均で360個のエキソン変異、165か所のゲノム再編成、323か所のコピー数変化が見られた。我々は11個の遺伝子に統計学的に頻発する変異を発見し、その中には、ほぼすべての検体に見られるTP53の変異も含まれていた。また、HLA-AクラスI主要組織適合遺伝子に、これまでに報告されていなかった機能喪失変異が見つかった。著しく変化した経路には、腫瘍の34%にNFE2L2KEAP1、44%に扁平上皮分化遺伝子、47%にホスファチジルイノシトール-3-OHキナーゼ経路の遺伝子、72%にCDKN2ARB1が含まれていた。我々は大部分の腫瘍で治療標的候補を同定しており、肺扁平上皮がん治療研究の新たなアプローチを提案する。

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