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生理:酸感受性イオンチャネル–クモ毒複合体の構造的可塑性と動的なイオン選択性

Nature 489, 7416 doi: 10.1038/nature11375

酸感受性イオンチャネル(ASIC)は、電位非依存性のアミロライド感受性チャネルで、痛覚から味覚に至る多様な生理過程に関与している。その生理的重要性にもかかわらず、ASICの活性化機構はよくわかっていない。今回我々は、ニワトリのASIC1aでは、pH 7.25とpH 5.5でサルモトキシンがそれぞれ非選択的電流とNa+選択的電流を活性化することを示す。ASIC1a–サルモトキシン複合体の結晶構造から、この毒素の結合部位が細胞外ドメインに位置することや、毒素の結合が細胞外にあるチャネル入り口の拡張と開いたチャネル小孔の安定化を引き起こす仕組みが明らかになった。pH 7.25では、小孔の直径は約10 Åだが、pH 5.5では小孔は大部分が疎水性となっており、横断面は約5 × 7 Åの楕円形で、これはイオン選択性が障壁機構によることと一致する。今回の結果は、ASIC活性化機構を明確にし、動的なイオン選択性の基盤を明らかにしており、新たな治療薬の設計図をもたらすと考えられる。

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