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遺伝:遺伝子プロモーターの長距離相互作用の全体像

Nature 489, 7414 doi: 10.1038/nature11279

ヒトゲノムにおける広大な非コード部分には非常に多数の機能エレメントや疾患につながる調節性変異が存在する。これらのエレメントと遠位の標的遺伝子との関係を決める原理はまだわかっていない。プロモーターと遠位エレメントはループを作って相互作用することがあり、それが遺伝子調節に関与している。本研究では、5C(chromosome conformation capture carbon copy)技術を応用して、ヒトゲノムの1%に当たるENCODEの試験的計画領域において、転写開始点(TSS)と遠位エレメントの間の相互作用を総合的に解析した。5Cマップは、GM12878、K562、HeLa-S3細胞に対して作成し、結果はENCODEコンソーシアムからのデータと統合した。我々はそれぞれの細胞株において、プロモーターと遠位部位との間に、1,000個以上の長距離相互作用を発見した。これらの遠位部位にはエンハンサー、プロモーター、CTCF結合部位に類似したエレメントが含まれる。遺伝子発現、プロモーター・エンハンサー相互作用、そしてエンハンサーRNAの存在の間には、有意な相関関係が見られた。長距離相互作用は明らかな非対称性を示し、TSSの上流約120キロ塩基に位置するエレメントとの相互作用に対する偏りがあった。長距離相互作用は、CTCFやコヒーシンの結合部位によって阻害されないことも多く、これらの部位の多くは、物理的に区切られた遺伝子領域の境界を定めてはいないことを意味する。さらに、最も近傍の遺伝子とのループ形成による相互作用は約7%のみであり、単純にゲノムの近接性から長距離相互作用を推測できないことを示している。最後に、プロモーターと遠位エレメントは、複数の長距離相互作用により、複雑なネットワークを形成していた。今回の結果は、遺伝子と調節エレメントを初めて三次元的状況で考察し、それらの機能的な関係を明らかにしている。

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