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遺伝:ENCODEデータから得られたヒトの調節ネットワークの構造

Nature 489, 7414 doi: 10.1038/nature11245

転写因子は、さまざまな組み合わせで結合することで、遺伝子のオン/オフ状態を指定する。このような結合の集合体によってできる調節ネットワークが、細胞の配線図を構成する。我々は、ヒトの転写調節ネットワークの原理を明らかにするために、450以上の異なる実験で、119個の転写関連因子のゲノム結合情報を調べた。その結果、転写因子が組み合わさった共会合は非常に状況特異的であり、独特な組み合わせの因子がゲノムの特異的な位置に結合することがわかった。特に、遺伝子の近位と遠位の結合には顕著な違いがある。我々は、転写因子の結合すべてを階層的に整理し、それをほかのゲノム情報(例えば、マイクロRNA調節)と統合して、高密度のメタネットワークを形成した。異なるレベルの因子には、異なる特性がある。例えば、トップレベルの転写因子は、より強力に発現に影響を与え、中レベルの転写因子は、標的を共調節して情報の流れのボトルネックを軽減する。さらに、こうした共調節によって多くの高密度なネットワークモチーフが生じる(例えば、ノイズを緩衝するフィードフォワードループ)。最後に、より接続の多いネットワーク構成要素はより強い選択下にあり、より強い対立遺伝子特異的活性を示す(つまり、親由来の2つの対立遺伝子への結合に差ができる)。この研究で得られた調節についての情報は、個人のゲノム塩基配列の解釈や、ヒトの生物学的特性や疾患の基本原理の理解にきわめて重要となるだろう。

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