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遺伝:ヒトゲノムにおける接近可能なクロマチンの全体像

Nature 489, 7414 doi: 10.1038/nature11232

DNアーゼI高感受性部位(DHS)は調節DNAのマーカーであり、エンハンサー、プロモーター、インシュレーター、サイレンサー、遺伝子座制御領域など、あらゆるクラスのシス調節配列を見つけ出すための基盤となってきた。本研究では、125種類の多様な細胞および組織の型における全ゲノムプロファイリングで明らかになったヒトDHSについて、初めての大規模マップを示す。およそ290万個のDHSが同定され、これらは実験的に検証されたほぼすべての既知のシス調節配列を網羅している。また、膨大な数の新規調節配列も明らかになり、その大半は高度に細胞選択的な調節だった。ENCODEのデータを用いてこれらの配列を注釈付けすることで、クロマチンの接近可能性、転写、DNAメチル化、調節因子占有パターンの間の新規な関連性が明らかになった。また、約58万個の遠位DHSと、それらの標的プロモーターとを関連付けることで、さまざまなクラスの遠位DHSと特異的プロモーター型との組み合わせを体系的に示す。クロマチンの接近可能性のパターン化は、多くの調節領域において、共活性化された数十から数百のエレメントで構成されており、任意の領域での細胞間DNアーゼI感受性パターンから、細胞型特異的な機能的挙動を推測することができる。DHSの全容から、最近起こった機能の進化的拘束の痕跡が見てとれる。しかし、多能性細胞と不死化細胞におけるDHS区画は、高度に分化した細胞よりも高い変異率を示し、クロマチンの接近可能性、増殖能、ヒト多様性パターンの間に予想外の関連があることが明らかになる。

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