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神経:DMRT3の変異はウマの歩行運動およびマウスの脊髄回路の機能に影響を及ぼす

Nature 488, 7413 doi: 10.1038/nature11399

哺乳類の歩行運動は、発生の際に確立される中枢パターン発生回路という、四肢の運動を協調させる脊髄介在ニューロンの回路に依存している。これらのネットワークは、屈筋と伸筋の協調のとれた活性化を引き起こすだけでなく、四肢の左右交互の動きを生みだしている。今回我々は、DMRT3遺伝子に生じた中途終止コドンが、ウマの歩行運動パターンに大きな影響を及ぼすことを明らかにした。この変異があると、一般的な歩法とは違う特殊な歩法を行えるようになり、繋駕速歩競争での走りにも有利に働く。野生型マウスとDmrt3ヌルマウスを調べたところ、Dmrt3が脊髄ニューロンのdI6群で発現されていて、このdI6群でのニューロンの特異化にかかわっており、四肢の動きを制御する協調した歩行運動ネットワークの正常な発生に不可欠なことが明らかになった。これらの知見は、Dmrt3が脊椎動物の歩法を制御する脊髄回路の形成にきわめて重要な役割を担っていることを示している。このDMRT3変異は家畜ウマの多様化に大きな影響を及ぼしており、家畜ウマのいくつかの品種の特殊な歩法特性には一見したところ、この変異が必要なようである。

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