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遺伝:ヒト大腸がんの包括的分子特性

Nature 487, 7407 doi: 10.1038/nature11252

大腸がんにおける体細胞性変化の特徴を明らかにするために、我々は276検体についてゲノム規模の解析を行い、エキソームの塩基配列、DNAコピー数、プロモーターのメチル化、メッセンジャーRNAおよびマイクロRNAの発現を解析した。これらの検体の一部(97検体)にはカバー率の低い全ゲノム塩基配列解読を行った。全体として、16%の大腸がんに高頻度の変異が見られた。これらの4分の3には、予想どおり高頻度のマイクロサテライト不安定性が見られ、それには通常、過剰メチル化やMLH1のサイレンシングが伴っており、残りの4分の1には、ミスマッチ修復遺伝子およびポリメラーゼε(POLE)の体細胞変異が見られた。結腸および直腸のがんは、高頻度変異の見られるがんを除き、ゲノム変化のパターンにかなりの類似性があることがわかった。24個の遺伝子に有意な変異が見られ、予想されたAPCTP53SMAD4PIK3CAおよびKRASの変異に加え、ARID1ASOX9およびFAM123Bに変異が頻発することがわかった。頻発するコピー数変化には薬剤標的にできる可能性があるERBB2の増幅や、新たに発見されたIGF2の増幅が含まれる。頻発する染色体転座には、NAV2とWNT経路に属するTCF7L1の融合が含まれる。統合解析から、悪性度の高い大腸がんの新規マーカーと、MYCが指示する転写の活性化や抑制の重要な役割が示唆される。

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