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遺伝:10〜20個のヒト細胞からの正確な全ゲノム塩基配列解読とハプロタイプ分析

Nature 487, 7406 doi: 10.1038/nature11236

全ゲノム塩基配列決定の最近の進歩によって、個人ゲノミクスやゲノム医療という構想が実現に近づいた。しかし、現在の手法は臨床的な正確さに欠け、ゲノムの変異が同時に出現する状況(ハプロタイプ)を費用効率よく調べることもできない。本論文では、低コストでDNA塩基配列解読とハプロタイプ分析が可能なロング・フラグメント・リード(long fragment read; LFR)技術について述べる。この方法は、長い単一のDNA分子の塩基配列を、クローニングや中期染色体の分離を行わずに解読するのに似ている。この研究では、ヒトDNAを1試料当たりほぼ100ピコグラム以下という量で、10のLFRライブラリーを作成した。ヘテロ接合の単一ヌクレオチド変異の最大97%までが、長いハプロタイプコンティグに構築された。複数のLFRハプロタイプによって相が特定できない擬陽性の単一ヌクレオチド変異を除外した結果、最終的なゲノムの過誤率は10メガ塩基当たり1個程度になった。10〜20個のヒト細胞からのゲノム塩基配列解読とハプロタイプ分析を正確で費用効率よく行える方法は、ここで実証されたように、包括的な遺伝学的研究とさまざまな臨床応用とを可能にするだろう。

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