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医学:全ゲノム解析から明らかになった、アロマターゼ阻害への乳がんの応答性

Nature 486, 7403 doi: 10.1038/nature11143

我々は、エストロゲン受容体陽性乳がんの多様な臨床像と体細胞変異を関連付けるために、アロマターゼ阻害剤を用いたネオアジュバント療法についての2つの研究で患者から得られた治療前の腫瘍生検標品について、大規模並行塩基配列解読および解析を行った。有意な変異がある遺伝子18個が見つかり、このうちの5個(RUNX1CBFBMYH9MLL3SF3B1)はすでに造血障害に関連付けられているものだった。変異型MAP3K1は組織学的悪性度や増殖速度が低いルミナルA型と相関していたが、変異型TP53はこれとは逆の相関パターンを示した。さらに変異型GATA3はアロマターゼ阻害剤治療による増殖抑制と相関していた。パスウェイ解析によって、MAP3K1の基質であるMAP2K4の変異は、MAP3K1が減少した場合と同様の変化をもたらすことが明らかになった。エストロゲン受容体陽性乳がんの異なる複数の表現型は、腫瘍の生物学的特性と関係する細胞内経路に位置付けられる体細胞変異の特定パターンと関連しているが、ほとんどの再発性変異は比較的まれである。これらの知見に基づく前向き臨床研究には包括的なゲノム塩基配列解読が必要だろう。

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