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医学:乳がんにおけるがん遺伝子および突然変異の過程の特徴

Nature 486, 7403 doi: 10.1038/nature11017

すべてのがんのゲノムには体細胞変異が存在する。その一部はドライバー変異として知られるもので、がん細胞にクローン選択優位性を与え、発がんの原因に関与していると考えられており、それ以外の変異はパッセンジャー変異である。乳がんに影響を及ぼすドライバー変異および突然変異過程に関しては、包括的な研究がいまだに行われていない。今回我々は、100の腫瘍のゲノムについて、タンパク質コード遺伝子のコーディングエキソンにおける体細胞のコピー数変異および突然変異について解析した。体細胞突然変異の数は、腫瘍ごとに大きく異なる。我々は、変異の数、がんが診断された年齢、がんの組織学的悪性度に強い相関があることを見いだし、また、TpCジヌクレオチドにおける多数のシトシンの変異を特徴とする約10%の腫瘍に見られるものなど、複数の突然変異シグネチャーを観察した。ドライバー変異は、AKT2ARID1BCASP8CDKN1BMAP3K1MAP3K13NCOR1SMARCD1TBX3など、いくつかの新規がん遺伝子で見つかった。100の腫瘍の中で、我々は少なくとも40のがん遺伝子および変異したがん遺伝子の73種類の異なる組み合わせの中にドライバー変異を見いだした。今回の結果は、この一般的な疾患の原因は、遺伝的にかなり多様であることを強調している。

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