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微生物学:健康なヒトのマイクロバイオームの構造、機能および多様性

Nature 486, 7402 doi: 10.1038/nature11234

ヒトのマイクロバイオームについての研究から、健康な個人どうしでも、腸、皮膚や膣などの生息環境に常在する微生物は大きく異なることが明らかになっている。この多様性についてはまだほとんど説明できていないが、食生活、環境、宿主の遺伝学的特性および幼少期の微生物暴露がすべて関係付けられている。ヒトマイクロバイオームプロジェクトでは、ヒトに付随する微生物群集の生態学的特性を明らかにするために、今までで最大規模のコホートで、臨床に関係のある各種体内生息環境の最大規模セットに関する解析を行った。その結果、健康な被験者間であっても、体内の各生息環境の特徴となる微生物の多様性や量は大きく異なっており、また個人の体内および個人間の両方でニッチが大幅に特殊化していることが見いだされた。このプロジェクトでは、健康な欧米人のマイクロバイオームに常在する微生物の属、酵素ファミリーおよび微生物群集構成の推定81〜99%を見いだすことができた。メタゲノム的に見た代謝経路保有状況は、微生物群集構造に差異があるにもかかわらず個人間で安定しており、民族的/人種的な背景が、経路および微生物の両方を臨床的メタデータに最も強く関連させる要因の1つであることが証明された。したがって、これらの結果は、健康なヒト集団の微生物群集における構造的および機能的な構成の範囲を明確にしており、ヒトマイクロバイオームの今後の疫学的および生態学的な特性解析やトランスレーショナルな応用を可能にするものである。

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